不登校支援(メタバース登校)について

先日、認定特定非営活動法人カタリバが運営する、メタバース空間を活用したオンラインでの不登校支援、Room-Kのオンラインイベントに町田市でフリースクールを運営される方や不登校のお子さんがいらっしゃる町田市内の保護者の方々と参加いたしました。
2021年経済産業省の未来の教室実証事業として実施された「シェア型教育支援センター」での取り組みで、埼玉県戸田市教育員会では、戸田市が独自におこなってきた不登校支援「戸田型オルタナティブ・プラン」の施策の中でもつながれていなかった「家から出ることが難しい子どもたち」にも学びを届けるためにRoom-Kの導入に踏み出したそうです。
町田市でもコロナ禍にはGoogleMeetでオンラインで授業に参加することにも実際に取り組んでいただきましたが、オンライン授業と異なるのは、メタバース上で友人と遊んだり自由に空間を行き来できることだそうです。
ネット依存になるのではという声も聞かれますが、社会のコミュニティから取り残され孤独・孤立化してしまうのではなく、自分に合った形で社会とのつながり、それが未来のつながるステップとして、いま取り組むべき支援のひとつとして考えております。

質問
(1)適応指導教室やフリースクールへつながっておらず、長期間自宅で過ごす不登校児童生徒へ の 支援についてどのように考えるか。

(2)不登校支援としてICT等を活用した場合も出席となるのか。

(3)「シェア型」オンライン教育支援として、メタバースを活用した不登校支援を導入している教育委員会があるが、町田市でも検討してはどうか。

(4)様々な悩みや不安を抱えながら毎日を過ごしている子ども本人や保護者の気持ちを少しでも楽にしたり、不安を和らげたりするために、保護者・児童生徒向けに不登校支援冊子を作成してはどうか。

回答

(1)不登校の要因は、友人関係、学業の不振、無気力や不安など本人の特性に関することだけでなく、保護者の考え方の多様性など複雑化しております。学校では、不登校児童・生徒のご家庭へ電話連絡や家庭訪問や、ICTを活用した学習支援等に取り組んだり、スクールソーシャルワーカーの派遣やスクールカウンセラーの活用をした支援もおこなっております。
しかし、本人やご家庭の様々な事情により支援が行き届かない、または支援に繋がりにくい状況にあるケースもございます。
不登校児童・生徒への支援につきましては、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があることや不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがあることなど、これまで以上に不登校児童生徒のニーズに合った支援の充実が必要であると理解しております。

(2)2019年10月25日付、文部科学省通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」、「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」において、出席扱い等の要件7つを満たし、その学習活動が自ら登校を希望した際に、円滑な学校復帰が可能となるような学習活動であり、かつ、当該児童生徒の自立を助けるうえで有効・適切であると判断する場合には、校長は指導要録上、出席扱いとすることができると示されております。
町田市立小・中学校においては、不登校のための対応マニュアル通して周知しております。

(3)シェア型オンライン教育支援とは、オンラインを活用し人材やプログラムを自治体の枠を超えて支援する体制であると認識しております。
また、具体的には、どの機関ともつながっておらず相談や支援を受けていない不登校児童生徒に対し、コンピューターの中に構築された仮想空間内(メタバース)で、自身が設定したキャラクターを操作し、他の子どもたちや支援者と会話をしたり、国語や算数などの学習支援や教育相談を受けたりすることができる場であると把握しております。
2021年度から始められた事業であり、導入している自治体も少なく、町田市における導入につきましては、先行自治体の動向を注視してまいります。

(4)市民に対して、まちだ子育てサイトに不登校対策のページを設け、「不登校のための対応マニュアル」、小学校・中学校適応指導教室について紹介をしております。「不登校のための対応マニュアル」には、町田市立小・中学校における不登校支援の在り方だけでなく、相談・支援機関として、教育センターの教育相談、子ども家庭支援センター、フリースクールの情報も掲載しております。
また、不登校支援を含む教育相談や適応指導教室の連絡先等を具体的に紹介した、保護者向け町田市教育センターのリーフレットを2022年度作成し、4月に学校へ配布しております。
町田市としましては、まちだ子育てサイトの不登校対策情報や教育センターリーフレットのより一層の周知に取り組むとともに活用を図ってまいります。

再質問
(1)「町田市教育センターのリーフレット」にはフリースクール等の情報がなく、
「不登校のための対応マニュアル」へつながる方法が必要だと思いますがいかがでしょうか。
 
(2)町田市の「不登校のための対応マニュアル」には親の会や家族会の情報がなく、
そういった情報は必要と思いますがいかがでしょうか。
 
(3)町田市の「不登校のための対応マニュアル」は学校向けのマニュアルとなっており、不登校の児童生徒や保護者に寄り添っているかどうかという観点では不十分と感じますがいかがでしょうか。
 
(4)12月1日に開会された東京都議会の第4回定例会では、
都知事が所信表明で学校での学習に不自由を感じる子どもたちのために、オンライン上で学べる教室を設置する方針を示しました。
 具体的には不登校など支援が必要な子どもたちが、メタバース上で交流や学習ができる、バーチャルラーニングプラットフォームをつくり、新宿区教委と連携して試行されます。
 都知事は「デジタルの力で誰一人取り残さない学び」を掲げ、「無理なく学べる新たな居場所を創り上げる」と述べています。
 先に行われた17番議員の一般質問では今年度有識者による検討委員会が組織されるとのことでした。
先行自治体の動向を注視していくとのことでまだこれからの議論となるとは思いますが、メタバースを活用した不登校支援についても話し合っていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

回答

(1)今後、「不登校のための対応マニュアル」へつながる2次元コードを表示しようと思います。

(2)学校向けに作成したものなので親の会の情報は載せておりません。
 
(3)不登校児童生徒にどのような情報をどのようにお示しするか、今年度立ち上げます検討委員会で対応していこうと思います。
 
(4)今後開催予定の検討委員会におきましてはこれまでの取り組みや新たな取り組みを検討員会で提言いただき検討していきたいと思います。
バーチャルラーニング12月2日に都知事が細かい情報が入っていないので、記者会見の内容を見ますと区市町村ごとにフロアを提供して運用とありますので、どのようにしていくのか見極めながら、メタバースを活用した不登校支援についても新たな取り組みとして検討委員会で検討していきます。