学校と家庭がつながるデジタル化について
皆様は小学生のお子さんが学校を休む時にどのように連絡しているかご存知でしょうか。
欠席連絡は電話ではなく連絡帳を用いています。その背景としては、学校には電話回線が少ないため一度に電話連絡があると電話回線がパンクしてしまうことや、また、先生方が電話対応に時間を費やしてしまうためとのことでした。
子どもの通う小学校では、いまだに基本的には連絡帳、難しい場合は電話連絡となっており、多くの保護者の方から世の中の流れに合った方法へ変えていただけないかと要望を寄せていただいております。
一方で、コロナ禍を経て独自にGoogleフォームで欠席連絡をしている小学校もあると聞きました。市内の小学校でデジタル化の恩恵を受ける保護者とそうでない保護者の格差が起きている状況です。
町田市でも、保護者の負担軽減や教員の業務効率化の観点から、学校と家庭がつながるデジタル化を推進すべきと考えます。
- 質問
- 国では、学校と家庭がつながるデジタル化として「欠席連絡のデジタル化」等が例示されておりますが、町田市での取り組み状況および課題は、いかがでしょうか。
回答
文部科学省から示されている欠席連絡のデジタル化の一例としては、Google社が提供しているアプリを利用した欠席連絡があります。実際にその運用を行っている学校は、小学校26校、中学校2校であります。
課題としては、子どもが勝手にアプリを利用して連絡してしまう可能性があり、国の質疑応答集では、その防止策として、保護者のみにアプリにつながる手段を推奨しています。
市における学校と保護者をつなぐデジタル化のツールとしては『すぐメール』というメール配信サービスを小中学校全校で導入しています。学校から保護者へ一斉に連絡できるシステムであり、教員の公務負担の軽減を図っています。
- 再質問
- 「課題として、子どもが勝手にアプリを利用して連絡してしまう可能性がある」とのことですが、欠席連絡のデジタル化を実施している学校において、子どもが勝手にアプリを利用して欠席の連絡をしてしまったという事例が起きているのか確認させてください。
回答
欠席連絡のデジタル化を実施している学校に対して聞き取り調査を行ったところ、大半の学校では、そのような事例はないと確認をしたが、一部の学校で子どもが勝手にアプリを利用して連絡するという事例がありました。
ただ、その場合でも入力された電話番号を用いて、保護者へ事実確認ができています。
- 再質問
- 先程のご答弁でGoogle社が提供しているアプリを利用した欠席連絡を行っている学校は、小学校は42校中の26校で61.9%と多くの学校が導入しているとのことでした。
欠席連絡のデジタル化を実施していない学校に対し、実施校の運用を展開いただくことは可能でしょうか。
回答
現在、複数校で運用している、Google社のアプリでの欠席連絡につきましては、子どもでも勝手に利用できてしまう仕様であるため、より安全性の高い機能が必要であると考えています。
現在、学校から保護者へ一斉に送信する『すぐメール』のシステムの更改時期が2023年度末となっています。その更改に合わせて、安全性が高く、学校、保護者、双方でやりとりが可能となる機能を付加したシステムの導入に向けて検討していきたいと考えています。
そのことにより、欠席連絡のデジタル化への活用を見込むことができるものと考えています。
- 再質問
- 2023年度末のシステム更改の際は、『すぐメール』に機能を追加するのか、それとも世の中にはすでに様々な便利なアプリがありますので他のアプリ等も検討するか、いかがでしょうか。
また、2023年度末のシステム更改に向けてどのようなスケジュールで進めるのか確認させていただきます。
回答
『すぐメール』の標準仕様の機能としては、現在、一斉送信のみとなりますが、システム更改の際は、双方向の送受信機能を付加する方法で検討する予定です。
システム更改のスケジュールとしては、2023年度中にシステムを構築し、2024年4月に運用を開始する予定です。
私の提案
保護者から学校へメールを送ることができるようになれば、利便性が向上し、特に個別に相談したいことがある場合は適してますが、今、Google社のアプリを利用している学校にとっては、欠席連絡のメールをたくさん受信してひとつずつ対応するというのは先生方の負担を増やしてしまうのではと懸念いたします。Google社のアプリは通常アンケートや申し込みに活用されるアプリですが、指定する必要な項目を収集できて一覧表になることや、自動リプライや、自動集計ができる点で非常に優れています。
Google社のアプリを使ったことがある方はよくわかると思いますが、これまでGoogle社のアプリを使っていたものが使えなくなって、ひとつひとつのメールで届くとなると相当な負担になります。
ご存知の通り、デジタルトランスフォーメーションというのは、単なるICT化とはちがい、デジタルによって社会や暮らしや価値観が大きく変容するという意味です。
欠席連絡のデジタル化は文部科学省からは「学校と家庭がつながるデジタル化」という観点の他に、教員の働き方改革としても例示されています。欠席連絡におけるUI、UX、ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエスのユーザーは先生方と保護者になります。
先生方・保護者が双方ストレスなく使える仕組みになるように、『すぐメール』の機能追加の一択ではなく、双方の意見をしっかり聞いてシステムをつくっていっていただきますようお願いしたいと思います。
- 質問
- 文部科学省からは「学校からのお便り」や「個人面談の日程調整」についても事例が紹介されておりますが、町田市の現状と課題はいかがでしょうか。
回答
学校からのお便りにつきましては、一部の学校においては、学校だより、学年だより等のホームページへの掲載などを実施しています。
また、「学校からのお便り」「個人面談の日程調整」いずれにつきましても、Google社が提供しているアプリを利用している事例があります。
課題としましては、インターネット環境が整っていない家庭や、使用方法がわからない保護者への個別対応が必要になることが挙げられます。そのうちインターネット環境が整っていない家庭に対しましては、紙での配布を併用しています。
- 再質問
- 「学校からのお便り」「個人面談の日程調整」のデジタル化の展開については、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
また、毎朝提出する「健康観察カード」、さらに「保護者からの相談」についてもデジタル化が望まれていますが、これらも併せて検討いただけないでしょうか。
回答
「学校からのお便り」「個人面談の日程調整」のデジタル化につきましては、先程申し上げたインターネット環境が整っていない家庭への対応などの課題があります。
「健康観察カード」「保護者からの相談」についても同様の課題があると考えています。
それらの課題を踏まえ、機能面や運用面等を勘案しながら、検討していきます。
- 質問
- 2017年度に「町田市学校教育に関するアンケート調査」を保護者、教員を対象に実施しています。項目が非常に多く、とても丁寧な意向意識調査だと感じました。
2020年度のGIGAスクール構想導入時には、保護者や教員を対象にデジタル化についてのアンケート調査は行ったのでしょうか。
回答
2017年度に実施した「町田市学校教育に関するアンケート調査」については、2018年度に策定した「町田市教育プラン2019-2023」の基礎資料として活用することを目的に調査を行いました。
ご質問の2020年度のGIGAスクール構想導入時におけるデジタル化に関するアンケート調査は実施しておりません。
- 質問
- 創刊号として8月8日に発行された「教育プランNEWS」について伺います。8月8日に発行して、8月31日期限で「町田の教育に関するアンケート調査」意見募集を実施されていましたが、内容が少々大まかだと感じました。
問いの内容としては性別、年齢、住まいは市内か市外か、15歳以下のお子さんがいるかいないかという基礎的な項目に加えて、「基本方針1について、あなたのご意見をお聞かせください。」。次の項目で「そのようにお考えになった理由をお聞かせください。」これが基本方針1~4まで繰り返され、最後は「その他、教育全般に関することについて、自由にお考えをお聞かせください。」で問いは全部で9つです。
発行から、アンケートの期限までの短さや、アンケート内容も非常に大まかであるため、教育プランニュースはどこに配布したのか。どのような反響があったのか。どうして、このようなアンケートを行ったのか。結果をどのように使おうと思ったのか。このアンケートからデジタル化に関してはなにをしようとしたのか。伺えればと思います。
回答
先月、教育委員会で実施した「教育プランNEWS」の意見募集は2024年度から始まる次期教育プランを策定するのあたり、プランに対するご意見を幅広く募る為、市内在住、在学、在勤や年齢を問わず、全ての方を対象として実施しました。
7月には町田市の学校教育に関するアンケート調査を学校、児童、保護者に行っております。
意見募集に際しては、各市民センターや図書館などでのチラシの配布、町田市メール配信サービスにて「学校教育情報」を指定している方へのメール配信、広報まちだ8月15日号への掲載などにより周知しました。
回答方法については紙での回答とともに「教育プランNEWS」に掲載されている二次元バーコードからアクセスし、意見募集サイトへ回答する方式を採用しました。結果として全て意見募集サイトからの回答となりました。
意見募集の結果としては、92件の意見があり、お寄せいただいたご意見は次期教育プラン策定の参考にさせていただきたいと考えております。
私の提案
デジタル化については教員と保護者の意向は特には聞いていないと理解いたしました。なぜ、教員と保護者のアンケートでデジタル化についてきかなったのでしょうか。『すぐメール』のシステム更改に向けても、何らかの方法で、教員と保護者の意向の聞き取りをお願いしたいと思います。
改めてのお願いになりますが、GIGAスクール構想浸透のため文科省のスタディーエックススタイルには「保護者へのおたより、個人面談日程の希望調査のオンライン化、欠席連絡のデジタル化」が例示されております。
小中学校の「学校と家庭がつながるデジタル化」について教育委員会単独で検討されるのではなく、町田市デジタル化総合戦略の流れに乗せていただきたいとお願いいたします。
また、おたより等の定まったものだけでなく、保護者の悩みに寄り添うという点においても、デジタル化が一翼を担っていければと思います。
幼稚園・保育園の頃は担任の先生との距離が近いのに、小学校へ入学するとすごく距離が遠くなってしまうという声を保護者の方からよく聞きます。
2017年度に実施した「町田市学校教育に関するアンケート調査」の結果によると
日常的に悩みを抱えている18.1%、時々悩むことがある60.2%と記述がありました。
悩みが深刻になってしまう前に、青信号が黄色信号にならないように、黄色信号が赤信号にならないようにするためには、保護者が子どもに対してきちんと向き合えるようにといった目的での早い段階での解決が大切ですが、現状として、学校へ電話をすることに負担やハードルを感じるという声も多く寄せられます。
保護者が一人で抱え込んで悩みが大きくなってしまったり、学校と家庭の間でコミュニケーション不足によって誤解が生じたりすることがあります。悩みが小さなうちに相談できるように学校と家庭の距離を縮めていければと思います。
特にコロナ禍に入学した1年生~3年生の保護者の方は、学校と信頼関係が築けていない、保護者同士の横のつながりも築けていない孤立している方が多くいると聞きます。顔を合わせてコミュニケーションをとることが第一だとは考えますが、コロナ禍で授業参観や保護者会など減ってしまった今、信頼関係を築く第一歩になるツールとしても、デジタル技術の徹底活用をお願いしたいと思います。