新たな学校づくりにおけるZEB化

8月29日、文科大臣へ26,816筆の署名が手渡されました。
現在、教室にはエアコンが設置されておりますが、断熱がきちんとされていないため学校は夏は暑く、冬は寒い状態です。全国のすべての教室の断熱を早急に進めてくださいという内容の署名が行われて、文科大臣へ署名が手渡されたという次第です。
多くの市民の方が脱炭素社会への関心を寄せる中で、町田市でも、新たな学校づくりにおけるゼブ化は非常に期待が高まっております。ZEBは従来の建物に必要なエネルギーに対してどの程度のエネルギーを削減できたのかによって4段階に分類されております。

  • 消費エネルギーに対して省エネと太陽光発電などの創エネで100%削減できたものを『ZEB』と呼びます。
  • 同様に75%以上削減できたものをニアリーZEB
  • 省エネだけで50%以上削減できたものをZEBレディ
  • 最後に延べ床面積1万平米以上の学校であれば省エネだけで40%以上削減できたものをZEBオリエンテッドと呼び、4つに分類されます。
質問
ZEB化のための具体的な仕様は

回答

新たな学校づくりで建替えを行う学校施設は、窓と外壁に高性能断熱材を使用し、高効率の空調設備やLED照明制御システムなどの導入によりエネルギー消費量を50%以上削減しZEBレディを目指します。

また、太陽光発電による創エネルギーを可能な限り増やし、省エネと創エネの組み合わせによりニアリーZEBに近づけていきたいと考えております。

現在新たな学校づくりの基本計画を策定した5地区のうち、設計が先行している鶴川東地区小学校においても基本設計に着手したところであり、ZEB化の具体的な仕様はまだ決まっておりません。今後、設計の中で具体的な仕様について詰めてまいります。

再質問1
太陽光発電のポテンシャルは

回答

直近で建て替えた鶴川第一小学校では30kW、町田第一中学校では20kWの太陽光発電パネルをそれぞれ屋上に設置いたしました。

新たな学校づくりで建て替えを行う学校では、鶴川第一小学校や町田第一中学校よりも多くの太陽光発電パネルを設置したいと考えております。

現時点では太陽光発電パネルを何kW設置できるか具体的な数値は決まっておりませんが、最大限設置できるよう設計の中で工夫していきたいと考えております。

再質問2
ZEB化を進めても電力調達が必要な場合はよりCO2排出係数の低い電力を活用すべきでは。

回答

現在、町田市立の小中学校については環境省・経済産業省から公表されているCO2排出係数の低い電気事業者と環境配慮契約を結び、電力を調達しております。

ZEB化を進める学校においても不足する電力を調達する必要があるため、CO2排出係数の低い電気事業者から電力を調達することを考えております。

再質問3
断熱・高効率空調・LED化・太陽光設置など、ZEB化に向けてさまざま実施いただけることが分かりました。
全国にはZEBの4つの分類のうち、上から2番目のニアリーZEBを達成している小中学校がありますが、どのような特徴があるのでしょうか。

回答

全国でニアリーZEBを達成している小中学校は2例を把握しております。

岐阜県の中学校と島根県の小学校の2例を把握しております。これらの学校では、窓と外壁に高性能の断熱剤を使用して高効率の空調設備やLED照明制御システムなどを導入し、その他の特徴として、岐阜県の中学校では自然換気を促進する建物配置や太陽光パネルを120kW設置してニアリーZEBを達成しています。

また、島根県の小学校は、児童数が20名以下の小規模な学校で、建物規模も1000平方メートル以下のコンパクトな学校に太陽光発電パネルを21kW設置してニアリーZEBを達成しています。

町田市が新たな学校づくりで建て替えます学校では児童数が多く、建物の規模や学校敷地など条件が違いますが、太陽光発電パネルを最大限設置するなどの工夫をして、できる限りニアリーZEBに近づけていきたいと考えております。

再質問4
ZEB化に向けて様々実施いただけるということですが、2030年までに市内の温室効果ガス排出量46%削減の目標を達成するために、学校施設としてCO2排出削減の数値目標はあるのでしょうか。

回答

町田市第5次環境配慮行動計画の中で目標値が設定されており、2030年度までに学校の統合や建て替えに伴うCO2排出の削減量としては年間963トンCO2を見込んでおります。

再質問5
新たな学校では消費エネルギーを太陽光などの創エネだけではカバーできないことが分かりました。その場合、ゼロカーボンを実現するには外部からどのような電力を調達するのかが重要になってきます。

現在学校で契約している電力の排出係数の具体的な値を教えていただけますでしょうか。

回答

学校で使用している電力については、2023年2月に小売電気事業者と環境配慮契約を結んでおり、その際のCO2の排出係数は0.441キログラムCO2パーキロワットアワーというものでございます。

私の提案

今述べていただいたのは一般送配電業者の排出係数なのかなと思います。

2030年の温室効果ガス排出量46%削減は学校部門では達成できるということが分かりましたが、まだまだ先の話ですけれども、2050年を迎えるときのカーボンニュートラルの観点では、新たに作られる学校は足枷になっていきます。

繰り返しになりますがその時に外部からどのような電力を調達するかが鍵になります。現在市役所が契約しているタクマエナジーでは排出係数は0.2と聞いております。できればタクマエナジーに準ずるような値となるように、少なくとも一般送配電業者の排出係数よりは下回るように次年度に向けてご検討いただくことを要望いたしまして、この項目を終わります。