支援が必要な一人親、離婚を考えている方への対応

この夏休みに5人の子どもを育てるシングルマザーの方から相談を受けました。その方は藁おもすがる思いで、町田市社会福祉協議会のフードバンクへ行きましたが、個人には食料は渡してきませんと断られてしまったそうです。

そこで民間団体で食料配布を行っているところを教えてほしいという相談を受けました。
また、別の方の相談では生活費を渡してもらえない、いわゆる経済的DVで配偶者からモラハラや暴言があり離婚したいが実家も頼れず引っ越し費用がないという相談を受けました。

離婚に至っていれば一人親の手当もありますが簡単に離婚届を提出できないご家庭も多く、離婚に至っていない方への支援は少ないというのが実情です。
そこで市としての支援について伺います。

質問
一人親が利用できるおうでごはについて、利用者が多いと思うが、市としての対応は


回答
おうでごは事業は市が補助金を交付し、町田市社会福祉協議会が実施しております。この事業は保護者の家事負担を軽減することにより、親子のコミュニケーションの時間を増やすことや、お弁当の配達時に生活に関する相談を支援することを目的にしております。

おうでごは事業の利用希望者の直近5年間の平均は268世帯725人となっております。
なお、2024年度の事業の利用者は116世帯342人でございます。市では1人でも多くの希望者にご利用いただけるよう町田市社会福祉協議会と対応を協議しているほかふるさと納税やガバメントクラウドファンディングにより事業費の確保に努めております。

再質問1
今年度おうちでごはを申請して対象外となった方は、具体的には何名いるのでしょうか。また対象外となった方へは何らかの支援はあるのかどうか伺います。


回答
対象外となった方は、240世帯623人との報告を受けております。なお、町田市社会福祉協議会において、対象外となった方に対し、地域のイベントや子ども食堂等の地域情報をお知らせとしてお届けしていることを承知しております。

再質問2
まずは、提供数を増やしてご尽力いただいたことに感謝申し上げます。ただ、623人の方は支援を求めたけれども、対象外になってしまったとのことです。

おうちでごはの運営団体からは、ボランティアで運営しているので、人員の確保が難しいと聞いております。その確保について市としてできることもあると思いますので、体制整備にご支援いただきますようお願いいたします。

また、おうでごはの目的は食料支援ではないと伺っているのですが、申請する一人親の方の立場に立てばお弁当が届くというのは、食料支援を求めて申請している方が大半だと想像いたします。町田市社会福祉協議会ではフードバンクも有しておりますので、対象外になってしまった方へ、食料支援もご検討いただくことを要望いたします。


8月20日の読売新聞の記事には、国の2021年度の調査によれば、母子世帯の年間平均収入は272万円、22年調査では一人親世帯の相対的貧困率は44.5%に上がっていると記述がありました。


一人親世帯に限らずではあるのですが、生活困窮世帯の子どもたちは主に食事を学校給食に頼っている場合があり、夏休みなどの長期休暇は正念場です。今年の品川区では学校給食がなくなる夏休みにお米を配布したとのことです。区内の児童センターで直接配ることで、健康状態なども確認して、より支援を必要とする子どもや家庭を把握することを目的にしているそうです。


町田市でも、長期休暇の際、食料支援という観点で食料を配布するフードパントリーを実施してはいかがでしょうか。また冒頭のシングルマザーの方から相談を受けたとき、私から担当課へ市内のフードパントリーの情報を問い合わせたときには把握していないということでした。

同様の活動をしている団体の情報を市で把握したり、必要な方へ情報提供することは必要ではないでしょうか。

回答
品川区で米を配布した経緯につきましては存じ上げておりませんが、食料のみの支援につきましては市で実施する予定はございません。


食料支援が必要な生活が困窮している方につきましては、ご相談をお受けした上で、関係部署と連携し、必要な情報を提供しております。

再質問3
町田市社会福祉協議会のフードバンクでは個人にお渡しできない仕組みになっております。担当の方へ理由を伺ったところ、どれくらい困っているのかが判断ができないため、寄付してくださった方の意図を汲むために寄付された食材のほとんどを子ども食堂へ渡しているということでした。


ただ、小学校区に子ども食堂がない地域もまだまだ多くあります。また、子ども食堂はボランティアで運営しているため、町田市内では月1回程度開催のところがほとんどです。いくつかの子ども食堂にお話を伺ったところ、もしかしたら、開催のタイミングが合わなかったかもしれないのですが、子ども食堂側も、社協から食料配布を受けたことがないというところもありました。

寄付してくださった方の意図を汲むということであれば、私が相談を受けた夏休み中の食料に困っている5人の子どもを育てるシングルマザーの方は、寄付した食料が届いてほしい対象だとは思いますが、現状としては個人には渡せない仕組みになっております。

一人親の手当を受給しているなど何か証明書を提示したり、あらかじめ登録しておいて個人に渡しているフードバンクもあります。仕組みを変えれば、寄付された食材を本当に必要とする方へ届けることができますが、いかがでしょうか。
また社協も限られたリソースで運営しておりますので、社協での対応が難しいというのであれば、別の枠組みが必要ではないでしょうか。


回答
フードバンクにつきましては、町田市社会福祉協議会が実施する事業でございます。フードバンクでは、備蓄している食材に限りがあること、また希望者の優先順位がつけられないことなどから、個人への直接配布は行っていないと伺っております。


なお、別の枠組みによる食材支援につきましては、生活が困窮している方につきましては、ご相談をお受けした上で、関係部署と連携して対応してまいります。

再質問4
板橋区では、街かどフードパントリーという公共の冷蔵庫のような取り組みがあります。対象者は、生活に困窮するひとり親家庭等医療費助成制度のひとり親医療証をお持ちの方や自立相談支援対象者などです。


街かどフードパントリーはプライバシー保護のため無人となっており、あらかじめ登録した方が予約をして取りに行くという仕組みです。

町田市でも、このような仕組みがあれば、寄付した方が意図とする。本当に必要とする方へ行き渡るのではないでしょうか。町田市でも取り入れてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

回答
板橋区の街かどフードパントリーとしての公共の冷蔵庫を設置している事業につきましては、板橋区社会福祉協議会において実施しているということは承知しております。現在、町田市において実施の予定はございません。

意見
街かどフードパントリーは、町田市のおうちでごはんと同じように一般会計で板橋区が予算を取って社協が運営するという区と社協が連携する形となっております。


昨年4月に子ども家庭庁が発足して今年6月には改正子どもの貧困対策推進法が成立いたしました。
それを踏まえて、現状社協の事業で行き届かない部分は、市と社協のさらなる連携をお願いしたいと思います。

質問
困りごとの相談にはどのような対応をしているのか


回答
市では支援を必要とする一人親及び離婚を考えている方からの困りごとの相談を受けた際には、まずは相談者の状況を確認するため、相談員が家庭環境や経済面、健康状態などについて聞き取りを行い、ニーズの洗い出しや対応の優先順位付けなどを行っております。


その後、ニーズに応じて関係機関につないでおります。例えば離婚に関する相談があった場合には係争に発展しそうな相談を法テラスにつなぐなど、事情に応じて専門機関、関係部署や近隣自治体、社会福祉協議会などの生活支援を行う機関と連携することで、相談者が困りごとを解決できるよう支援を行っております。

再質問1
例えばモラハラ等で精神的に追い詰められ物理的に離れる必要があっても実家を頼れなかったり生活費を渡してもらえない経済的DVで引っ越しができない方々がいます。社協に相談したところ、社協の貸付金は正社員であるとか、都営住宅に当選した方などと限定されておりました。


また、市の居住支援団体にも相談したところ、居住支援団体が間に入るサブリースの形をとっているので、引っ越しの初期費用は居住支援団体で立て替えて分割払いとできるのですが、定期的に見守りが入るため通常の家賃に上乗せがあるということで少し求めている内容とは違うようでした。

残念なことに、実情として非正規雇用の女性が多くいます。社協の貸付の際、正社員でなくても、例えば一人親の手当も収入換算できるような何か仕組みが設けられないでしょうか。

回答
ご質問の貸付事業につきましては、町田市社会福祉協議会の事業でございますので、その条件や仕組みの変更につきまして、市がお答えできる立場にございません。市では、モラハラや経済的DVなどの事情があるにもかかわらず経済的な理由で転居が困難である方からのご相談があった場合には、関係部署と連携して対応してまいります。

再質問2
中野区では今年6月から離婚の時の転居費用の補助制度が始まりました。

区内の転居費用と礼金、仲介手数料、前払い家賃などの初期費用について所得制限はありますが、30万円を上限に補助するというものです。

一人親家庭や離婚協議中の実質一人親に対して、町田市でも実施してはと考えますが、いかがでしょうか

回答
町田市では引っ越し支援につきましては経済的な支援を行っておりませんが、転居手続きの支援等につきましては、状況に応じて行っております。転居に対する費用補助につきましては現在実施の予定はございませんが、中野区で6月から支援事業の開始をしております。


今後の実施状況や効果、また同様の事業を行う市町村があれば、その状況にも注視してまいります。

意見
今後も町田市社会福祉協議会とも連携して支援のあり方などぜひご検討いただきたいと思います。