高齢の方が週1回集まってみんなでご飯を食べておしゃべりする場が市内にあります。参加されている方の9割が独居一人暮らしです。そこでよく出るのは「明日、目が覚めないかもしれない」という不安の言葉です。
70代後半になると友人が次々と亡くなり、自分と同じ年頃の有名人が亡くなったことをテレビで目にするたびに、死を意識すると参加される方からお話を伺いました。
先月、新聞記事には、「65歳以上の孤独死 年6.8万人。実体把握へ 見寄りなき老後、国が支援制度」というタイトルが並びました。
例えば、見寄りのない高齢者の困りごととして、病院や施設に入所するときに身元保障人が必要になること、葬儀や納骨をしてくれる人がいないこと、死後の家財の処分をどうすればいいのか、といったことがあると記事には書かれていました。
これから、単身世帯がますます増えていくことやライフスタイルの変化により、これまで子どもや親族が担ってきた役割を果たす人がいない高齢の方が増えていくと考えられます。

質問 1
終活支援の現状は

回答

終活とは、ご自身が意志表示を行うことができなくなったときや、もしもの時にご自身のご希望を実現するための準備であると認識しております。
市内12カ所の高齢者支援センターでは、終活に関する相談を受けることがございます。
終活相談では、財産や葬儀のことなど、エンディングノートに記載されている内容などをご紹介しています。
相談の中で、例えば遺言の作成や権利・相続に関することなど専門的な知識が求められるような場合には、司法書士で組織される団体などをご案内しております。
高齢者支援センターではこれらの終活相談について日々の相談業務の中で対応しております。

再質問1
市内に身寄りのない高齢者等で保証人がいないなどの理由から住宅を借りることが難しい方に対し、住宅確保のための支援を行っている社会福祉法人があります。

この法人では、入居した後も定期的な見守りや通院時の外出支援など日常的な生活支援のほか、葬儀や家財処分等の終活支援も行っております。

また、文教区や福岡市など日常的な生活支援や見守り、病院や施設入所の際の手続や身元保障、葬儀・家財処分等の死後事務を支援する事業を行っているところが増えてきております。

国では、2024年度に、身寄りのない高齢者等の生活上の課題に向き合い、安心して年を重ねることができる社会をつくっていくため、モデル事業を実施すると聞いております。

町田市でも、このモデル事業を活用するなどして、これらの取り組みを行ってはいかがでしょうか

回答

国が身寄りのない高齢者等の生活上の課題に対応するため、身寄りのない高齢者等の生活上の課題への包括的な相談調整窓口の整備、および日常生活支援に加え、入院・入所時の身元保障の支援や死後の事務支援を合わせて提供する取り組み。これらの2つの事業を持続可能な権利擁護支援モデル事業において、試行的に実施するということについては、市も承知しております。

これらの実施主体は市区町村であり、取り組みに係る経費の4分の3が補助されるということです。
この取り組みですが、今年度から新たにモデル事業として位置づけられたものでございます。この事業の活用につきましては、他自治体の状況やその効果等を注視しながら研究してまいりたいと思います。

意見
現状としては一次窓口として高齢者支援センターで受けていただいているのですが、専門性が高くて対応が難しいというのが実情となります。

先ほど申し上げました居住支援に取り組んでいる市内の社会福祉法人は既にノウハウを持っておりますので、例えば、そこを拡充するとか、何かできることはあるのではないかと考えております。

おそらく来年度に向けて国も何らかの動きがあると思いますので、積極的な情報収集と前向きな取り組みをお願いしたいと思います。
再質問2
高齢の方が安心して最期を迎えるため、本人が望む医療などについてあらかじめ考えるACP(アドバンスケアプランニング)という取り組みがあります。改めて市の取り組み状況を確認させてください。

回答

ACPでございますが、本人が将来的に望む医療や介護などについてあらかじめ考え、家族や医療・介護関係者などと共有するものでございます。

ACPにつきましては、在宅療養の普及と多職種の連携を図ることを目的といたしました「まちだ安心して暮らせるまちづくりプロジェクト」において、普及啓発の取り組みを実施しております。

「まちだ安心して暮らせるまちづくりプロジェクト」には、市や町田市医師会を含む、医療や介護に関わる19の専門職団体が参画しております。このACPの普及啓発の取り組みは、コロナ禍での経験を踏まえ、自身で意志決定が困難になったときなどでも、本人が望む医療や介護を受けられるよう備える必要があるという医療や介護の現場からの声を受けたものでございます。

具体的な取り組みといたしましては、2023年12月に医療と介護の専門職を対象とした研修会を開催いたしました。研修では、ACPを正しく理解するための専門医による講演や他職種が連携し患者や利用者等に普及を進めていくために必要となる体制や手段、方法等について話し合うワークショップを実施いたしました。

また、2024年3月には市民を対象とした研修会を開催し、ACPを活用していただくための具体的な事例の紹介なども交えた専門医による講演を実施いたしました。今後も、「まちだ安心して暮らせるまちづくりプロジェクト」を中心に、ACPの理解を深めていただくための普及啓発に取り組んでまいります。

要望

医療・介護に関しては、他職種の方が連携して動き出す支援をされているということが分かりました。ワークショップで話し合われたことなどが具現化できるように、今後もご支援をお願いしたいと思います。

安心して最期を迎えられるということは、安心して暮らせるということにつながります。もしも一人で亡くなっても丁寧に見送ってもらえるような、人として最後の尊厳を保てる仕組みをつくっていくことが今求められております。

高齢の方が抱える不安にそっと寄り添い、「明日、目が覚めないかもしれない」という言葉が、「明日、目が覚めなくても大丈夫」と変わるように、高齢の方が希望を持って生きられるような街になってほしいという思いを込めて質問しました。今後も進捗等質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。