町田リス園基本計画策定

町田リス園は、障がいのある子どもたちに働く場をと保護者の方々の切実な声を町田市が受け止めて1988年に開園しました。
障がいのある方が表に出て運営する動物園というのは全国にも例がなく、共生社会実現の一翼になってきた町田市の本当に大事な財産です。
障がいのある方の働く場として作られた開園時の理念が、現在検討されている町田リス園基本計画にもしっかり反映されるべきだと考えております。
1)現状と課題、今後のスケジュールは
(回答)
町田リス園基本計画策定につきましては、2025年度中の策定を目指して現在策定作業中でございます。
課題といたしましては、まず町田リス園は開園から36年経過しておりますので、施設の老朽化対策が挙げられます。
また、町田市を代表する観光スポットとしてどのようにすればより魅力的な施設にできるのかが課題であると認識をしております。
(再質問)
今後もリス園は障がい者の働く場として守られていくのでしょうか。
(回答)
町田リス園は1988年に開園をし、障がいのある方の働く場としてそこで働く障がいのある方の障がいの状態に応じて様々な作業を提供いただいております。
この間、全国各地から多くのお客様に訪れていただき、リスなどの小動物との触れ合いの場であるとともに、仕事をする障がいのある方と訪れたお客様が交流できる場として、共生社会の実現の一翼を担っていただいていると認識をしております。
また現在におきましては町田市を代表する観光施設の一つとなっており、これまでの町田リス園の長きにわたる取り組みが、多くの皆様に評価をされているものと認識をしております。
今後につきましても町田リス園を障がいのある方の働く場として、また、働きやすい環境の整備を進めるとともに共生社会の実現に向けて障がいのある方の活躍できる施設を目指してまいります。
(再質問)
上位計画には、障がい福祉課の役割として、障がいのある方の活動の場の確保を行いますと載っておりますので、当然町田リス園基本計画にも反映されると考えておりますが、相違ないでしょうか。
(回答)
町田薬師池公園色彩の森魅力向上計画Ver.2におきまして、障がい福祉課の役割として、障がいのある方の活動の場の確保を行いますと定めております。その個別計画でございます今回の基本計画には当然反映されるものでございます。
(再質問)
大幅に来園者数を増やしていくということは非常に大きな変化が生じることだと思います。
現在の利用者の方々は大きな影響なく、今後も同じように作業を継続できると考えてよろしいでしょうか。
(回答)
町田リス園基本計画におきまして新たな機能の追加でありますとか、開園時間など運営に関わることにつきましては現在検討中でございます。
お尋ねの件につきましても、当然考慮しながら検討を進めてまいります。
(再質問)
これまで2回実施されました保護者向けの説明会では、リニューアル後の運営について説明があり、不安が広がっていると聞いています。
今後、保護者の方々とはどのように向き合い話し合っていくのでしょうか。
(回答)
市ではこれまでリス園で働く障がいのある方の保護者向けや、園長をはじめ職員の方々も対象とした意見交換の場を複数回設けてまいりました。
そのうち、保護者向けの説明会は2023年8月、それから本年3月の計2回開催しています。
説明会では、保護者の方からリス園を町田市の魅力的なスポットであり続けられるようにして欲しい。
こういったご意見のほかに、リニューアル後も障がい者が安心して働ける施設にして欲しいといった意見を寄せていただいております。
今後も、これまでと同様、意見交換の場を設けていきながら丁寧な説明を行ってまいります。
(再質問)
一般論として伺いたいんですけれども、例えば、指定管理となった場合に障がい者の就労の部分が自主事業となってしまうことはあるのでしょうか。
(回答)
一般論としてお答えをいたしますが、公の施設の管理運営におきましては、直営か指定管理者制度によるか、どちらかとなります。
そのため、指定管理者制度により事業を実施する場合におきましては、実施すべき事業については、指定管理の業務仕様書に含まれることになります。
(再質問)
再び一般論として伺いたいんですけれども、実施すべき事業は仕様書に含まれるということなんですけれども、基本計画に記されていることとなると、それが仕様書に含まれると考えるんですけれども、結論としては先ほど申し上げたような、障がい者の就労の部分が自主事業になるようなことはないという理解でよろしいでしょうか
(回答)
繰り返しとなりますけれども、一般的な話として、公の施設の管理は直営か指定管理者制度になります。
指定管理制度を選択する場合には、当然実施すべき事業につきましては、指定管理の業務仕様書に含まれてまいります。
(再質問)
計画の策定にあたって、これまで町田リス園の理事長や園長の合意を得て進めてきたのでしょうか
(回答)
町田リス園基本計画の策定にあたりましては町田薬師池公園色彩の森魅力向上計画Ver.2
を園長をはじめ町内会自治会の代表の方、それから学識経験者などからなる検討委員会で検討していただき、2023年9月に策定をしたというところでございます。
この計画では町田リス園に関する取り組みといたしまして小動物と共に過ごす体験と学習機会を提供することや施設をリニューアルすることを掲げており、これらのコンセプトをもとに2023年度から町田リス園の基本計画策定に着手してきているところでございます。
市ではこれまで、保護者向けのほか、園長をはじめ職員の方々に対しても意見交換の場を設けてまいりました。
現在に至るまでの協議の状況ですが、2023年8月7日に運営法人の理事、町田リス園の園長、副園長、職員、保護者と色彩の森魅力向上計画Ver.2をもとに町田リス園の基本計画を策定していくことについて、1回目の意見交換を開催しています。
その後も、
2023年には11月9日、12月15日、2024年には1月5日、2月29日、5月1日、それから5月28日、5月29日、6月28日、また今年度に入りましても2月7日、23日、26日、3月3日、13日、18日、24日、4月7日、21日合計18回既に開催し、基本計画の策定あるいはリスの飼育に関すること、それから就労継続支援B型に関すること、公の施設への移行及び運営手法に関すること、また基本計画のゾーニング案に関することなど、多岐にわたる事項について協議を行っております。直近では本年4月に理事長と園長との協議を行い、市からは経済観光部長、それから都市整備担当部長、それと私が参加しております。協議の場では市から、公の施設の運営に関する考え方、障がいのある方が活躍できる場にしていきたいことなどの説明をいたしまして、理事長からは、計画の策定を進めていくにあたり、リス園職員や保護者の方を交えた場を設け丁寧に協議を進めていただきたいといったご意見、それから園長からはこれからも障がいのある方が安心して働くことができ、また収入面においても安定した運営ができる方法を考えていただきたい、といった意見をいただいております。
協議内容については概ねご理解いただいているものと認識をしております。
(再質問)
想像以上に非常に長いご丁寧なご説明をいただいてちょっとぼやける感じがしたんですけれども、合意を得て進めてきたかという点についてはイエスかノーかだとどちらでしょうか。
(回答)
先ほど答弁を申し上げましたとおり、複数の意見交換の場を設け、我々の考えること、それから今後進めていきたいと思っていることについてはご理解をいただいていると認識をしております。
(再質問)
町田リス園とは今後協議の上で進めていくという認識でよろしいでしょうか
(回答)
はいお見込みのとおりでございます。
(再質問)
念のための確認なんですが例えばですけれども、前回私が一般質問をしたときには協議ではなくて意見を聞いてまいりますというご答弁でした。
今回協議という言葉をあえて使わせていただいたんですけれども、協議いただけるという理解でよろしいでしょうか。
(回答)
もちろんお互いの意見をしっかりと表明し、それを理解しながらお互いにどういうことをしていくべきなのかということを協議しながら進めていくと、そういう意味でございます。
(再質問)
素案が出るときに町田リス園の関係者から、この計画でよかったと思えるような形にしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
(回答)
これまでと同様に今後も、町田リス園とは丁寧に協議を進めながら計画策定を進めてまいりたいと考えております。
(再質問)
冒頭のご答弁の中で今年度策定を目指しているとご答弁いただいたんですけれども、町田リス園の関係者からの理解が得られていない場合は伸ばすことは可能なんでしょうか。
(回答)
町田リス園の関係者の方々とは協議してまいります。協議を踏まえた上で、2025年途中の計画策定を目指してまいります。
(再質問)
目指すということはあくまで目標であってマストではないというふうに受け取りました。
町田リス園の36年の歴史の中で20年近くは石坂市長の任期でして、町田の大切な場所として育んでくださいました。
町田リス園の25周年、30周年、35周年の式典には市長もしくは副市長が出席され、障がいのある方の就労の場として評価をしてくださったと捉えています。
今、基本計画策定にあたり、不安が広がっています。
障がいのある方の働く場というこれまで大切にしてきたことが大きく変わって蔑ろにされてしまうんじゃないかという方も多くいらっしゃいます。
障がいのある方の働く場として生まれた町田リス園の開園当初の理念を、これからも大切にしていくという思いは同じだと信じているんですけれども、市は町田リス園をどのようにとらえているのか改めて伺います。
(回答)
町田市では、障がいの有無や性別、年齢また国籍の違い等による差別や偏見のない、互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、様々な取り組みを進めております。
共生社会の実現には、暮らしの舞台となるこの町田市が魅力的で輝き続けること、選ばれ続けることが必要でございます。
幸い、町田市はこれまでの取り組みが成果を結び、近年、年少者の転入超過率において全国トップレベルを維持しています。これは町田市が多くの方々から選ばれ続けていることを示しているものと理解しております。こうした結果に貢献しているその要因の一つとして、毎日多くの方が訪れる町田リス園があるというふうに思っております。
また、これまでにこの本会議場の場でも申し上げてまいりました通り、町田リス園は、1988年の創立以来、35年の長きにわたり、障がいのある方の働く場、輝く場としての歩みを進めてこられました。現在においては、全国的に珍しい自然の中で小動物と触れ合える場として、また、生き生きと働く障がいのある方と来園者が交流することのできる場として、多くの方々から選ばれている施設になっています。
目を輝かせる子どもたちと、それを温かい目で見守る大人たち、そして生き生きと働く障がいのある方々が共存する町田リス園は、まさに町田市が目指す共生社会の象徴的存在であると考えております。
そうした意味で、町田リス園には、町田市の魅力を一層高めていくポテンシャルと、障がいのある方が生き生きと働く共生社会の象徴的存在としてのポテンシャル、これがまだまだ多く秘めていると考えております。
一方ですが多くの方々が訪れる施設への成長とは裏腹に、施設の老朽化でありますとか、最近の集客施設に求められるホスピタリティが一部不足していたり、こうした問題も生じております。
今回の計画に基づく施設のリニューアル等によりまして、こうした問題を解消し、障がいのある方の働く場としての安心・安全を確保し、働きやすい、そして気持ちよく働くことができる場とするとともに、それをより多くの方々に選ばれ訪れていただける施設としていきたいと考えております。
町田リス園が共生社会の象徴的存在として輝き続けることが、障がいの有無や性別、年齢、国籍の違い等による差別や偏見のない互いの人格と個性を尊重し合いながら共生社会の実現、こうしたものの一助となるものと考えております。
(意見・要望)
今回やりとりを通して感じたことは、市と町田リス園関係者の間にすでに溝が生まれてしまっているということです。
計画の進め方においてコミュニケーションの不足があったことは否めません。
不安だけではなく相当強い反対もあるというふうに聞いています。
スケジュールでは今年度策定となっておりますので、一般的には9月の定例会で素案が出てくることになりますが、今の状態で出てきたらより分断が生まれるだけだと思います。
難しい課題を乗り越えるためには信頼関係が必要です。
足並みを揃えていくためにも素案を出す前にもう一度信頼関係を築いていただきたいと思います。
障がいのある方の働く場として生まれた町田リス園。開園当初の理念をこれからも大切にしていくという思いは、市も同じだと信じています。
町田リス園基本計画策定において、障がいのある方の働く場が最優先されることを要望いたしまして、この項目を終わります。