子育て中のママがガン等の病気になった時の
日中の子どもの預かり

日本人が一生のうちにがんと診断されるのは2人に1人で、誰がかかってもおかしくない病気のひとつとなっています。その中でも女性特有のがんには乳がん、子宮頸がんなどがあり、国立がん研究センターの最新がん統計によると、がん罹患者数の女性の1位は乳がんとなっています。女性特有のがんの発症は若年化し、子育て中の方の発症も多くあります。
この度町田在住の井上文子さんという方が「がんと診断された子育て中のママたちの声」をまとめた冊子を作成しました。がんママとその家族が、がん診断後、どのような問題に直面し、どのような助けを求めているかを知る手がかりになる冊子です。
井上文子さんはご自身もお子さんが2歳のときにがんを経験され、「子育て中に癌と診断されたママや家族が悩みや不安を語れる場を地域につくろう」という想いから、がんママカフェを運営されてこられました。
冊子にはママたちの切実な声が載せられていましたが、何よりも自分自身のことよりも子どもたちのことを心配するママたちが多いことに胸が詰まりました。
夫や両親を頼れる家庭ばかりではないため、ご本人のサポートの他にも、子育てのサポートの必要性を実感したところです。
病気の進行によっても様々ですが、急きょ1ヶ月後に手術することになったり、突然、以前のように子育てや家事ができなくなったりします。その時に、助けになる公共サービスや地域の資源にどのようなものがあるのか情報がなかったり、保育園や学童保育に入る場合、闘病中の身で書類を何枚も記入し、直接出向いての手続きが必要になったり、非常に厳しいものがあります。
がんと診断されたママやご家族が抱える問題や課題は非常に多く複層的ですが、今回はがんママカフェでも多く意見のあった、日中の子どもの預かりについて2点お伺いいたします。

質問
1)突如として長期入院しなければならなくなった等の緊急時に、保育園や学童保育に優先的に入れる仕組みはあるのでしょうか。
   
2)病状等によりファミリー・サポート・センターや一時保育の利用にあたり登録手続きを簡易的にできますか。

回答
1)町田市では保育園及び学童保育クラブの入所につきましては、保護者の就労時間及び日数等で保育の必要性を点数化し、点数が高い児童から入所を承認しております。         
保育園につきましては、児童福祉法に基づき、家庭状況や緊急度を考案し、保育が必要となる児童に対して入所できるよう優先的な取り扱いをしております。
また、学童保育クラブにつきましては、保護者が入院等やむを得ない事情により、保育が必要となる児童に対して緊急的に入会できるよう取り扱いをしております。

2)通常受け入れにあたっては、施設において子どもを安全に預かるため、事前にアレルギーの有無や実際にあって子供の状況を確認しております。なお、保護者が病気の場合はその病状を勘案して対面での面談を電話での聞き取りにするなど、利用手続きが負担にならないよう対応してまいります。

私の提案

優先的に入れる仕組みがあることや、登録手続きを簡易的にできることを理解いたしました。
もしもの時のために予め登録しておくことは大切ですが、登録してから時間が経過した後利用することが想定され、その場合、やはり改めて最新の情報を登録しなくてはならないと思われるため、緊急時の対応方法についてもスキームを模索していく必要があると考えます。
また、今回は取り上げませんが、登録時に書く書類が多かったり、非常に煩雑であり、申し込みから利用までに時間がかかったり、ワンストップになっていないという声も届いています。事業主体が異なる等、理由があってのことと思いますが、同じ書式にできないか等、心地よく利用できるように考えを深めていきたいと思います。
冒頭に申し上げた冊子は八王子市では市内全ての図書館に設置し、また、八王子市内全ての小中学校でも冊子のデータを共有してくださっているとのことです。
病気になったときにご本人も家族も安心して暮らせるように、まずは実態把握から行い、ひとつでも解決の糸口が見つかるように今後継続して心を寄せて参ります。