小中学校における医療的ケア児の受入れ

医療的ケア児と家族を支援する法律としては医療的ケア児支援法が2021年6月成立し9月に施行されております。
医療的ケア児の支援において目指すことは、医療的ケア児、介護するご家族が地域で安心して暮らせることです。
町田市では2018年に町田市医療的ケア児・重症心身障がい児支援協議会(以下、医ケア協議会)が設置されました。
2018年11月には医療的ケア児の保育所等受け入れガイドラインが策定され、保育所等受け入れ手続きの流れをとても丁寧に定めております。
一方で、小中学校入学時のガイドラインはありません。
小学校入学において保育園の時とは大きく環境が変わるため、小中学校への移行の接続は他の自治体でも課題となっていると聞いております。

質問
医療的ケア児が小学校に就学する際、就学相談ではどのような対応をしているのか教えてください。

回答

就学相談は特別な支援を必要とするお子さんの適切な就学先について、保護者と学校長OB、心理士等の教育委員会の専門家が共に考えていく場でございます。
毎年8月から12月に開催している就学相談会では、保護者面接、行動観察、発達検査、保育園・幼稚園での様子等をもとに専門家がお子さんの望ましい就学先を検討しております。
医療的ケア児が就学相談に申し込まれた場合は、さらに主治医の医学的な意見の資料も合わせて、学校生活での配慮事項、注意事項等を専門家が保護者とともに確認の上、適切な就学先と就学後の支援方法を決定いたします。

再質問
医療的ケア児の命に関わることであり、絶対に事故を起こさないように二重三重に確認して関係各所が緊密に連携して対応することが求められます。
小中学校入学時についても、保育園同様に医師の意見書、指示書だけではなく専門家が集まった医ケア協議会での審議が必要と考えます。いかがでしょうか。

回答

小学校に就学する医療的ケア児につきましては、まず本市で保育園・幼稚園に入園する際に、医ケア協議会で支援方法、お子さんの情報共有なども含めて検討しております。
その後、就学時におきましては、その時の情報や実際のお子さんの症状、それから医療的ケアの状況、引き継いで就学相談などにかかりますので、改めて支援協議会で検討する必要はないと考えております。
また、他市からの転入などにより就学前に医ケア協議会に諮っていないお子さんにつきましては、主治医の指示書をもとに保護者と相談しながら適切な医療的ケアの対応を行ってまいります。

要望

保育園に上がる時も、小中学校に入学する時も支援に連続性を持たせて移行を順調に進めるために医ケア協議会があると思います。
例えば看護師の加配など医師の意見書と医ケア協議会の意見に相違があることもあって、互換し合っているというふうに伺っております。
事故が起こらないように二重三重のチェック機能を持たせてのご対応をお願いできればと思います。

再質問
例えば、気管切開や胃ろうが抜けた時などの緊急時の対策・対応方法について事前に確認をしているのか伺います。

回答

緊急時の対応方法につきましては、事前に保護者、校長、副校長、学級担任、養護教諭、看護師、医療的ケア児コーディネーターなどで主治医の指示書を確認の上、看護師を中心に緊急対応に当たっております。
学校生活において医療的ケア児に緊急対応が必要となった場合、看護師がお子さんの容態を確認の上、緊急搬送などの適切な対応を取るように徹底しております。

再質問
立川市では2023年4月に市立学校における医療的ケアの実施に関するガイドラインが策定されました。
小学校・中学校に入学するときは大きく環境が変わります。
支援に連続性を持たせることが安全につながります。
小中学校もガイドラインを作成してはと考えますが、いかがでしょうか。

回答

現在市内小学校に在籍します医療的ケア児は看護師による医療的ケアを受けながら、安心・安全に学校生活を送っております。
教育委員会では、小学校就学後の医療的ケア児は、保育園・幼稚園入園児と違い、すでに集団生活に慣れているため、ある程度必要な医療的ケアが分かっている。そのような状態で主治医・保護者・学校の教育委員会で情報を共有し、保育園・幼稚園からの情報もちゃんと連携を図り、適切に医療的ケアを行っております。
そのためガイドラインの作成については、小学校の医療的ケア児の児童数の推移や国の動向や他市の状況を注視しながら今後研究していきたいと考えております。