芹ヶ谷公園再整備における少子化対策(子ども・子育て支援)について
先週末、芹ヶ谷公園フューチャーパークラボが開催され、大きな気球に感動して久しぶりにワクワクしました。芹ヶ谷公園再整備によってさらに魅力的な町田市を象徴する場所になっていくと大変期待を寄せるところです。
我が子が小さな頃にはお弁当を持って、せせらぎでザリガニ釣りをしたり、ジャブジャブ池で遊んだり、芹ヶ谷公園は思い出がたくさん詰まった場所です。
子育てが大変な時期にはせりがや冒険遊び場でプレーリーダーの方に話をきいていただき救われました。一人で子育てするよりもみんなで子育てするってこんなに気持ちが楽になるんだと素直に感じました。芹ヶ谷公園で過ごした時間がたくさんの子どもや大人の人生を豊かにし、今、国をあげて取り組む少子化の課題にも寄与していくと考えております。
- 質問
- (1)芹ヶ谷公園再整備による来園者数推移の見込みは。
(2)芹ヶ谷公園再整備における少子化対策(子ども・子育て支援)としての位置づけや機能は。
回答
(1)芹ヶ谷公園再整備による来園者数推移の見込みについてですが、2021年度の来園者数は、日常の公園利用者と、さくらまつりや時代まつり等のイベント時及び国際版画美術館の入館者数を合せて年間約58万7千人です。再整備後の来園者数は、新たにできる(仮称)国際工芸美術館の入館者数も合わせて、年間約72万7千人にお越しいただくことを見込んでおります。
(2)芹ヶ谷公園再整備における少子化対策(子ども・子育て支援)としての機能や位置づけは、芹ヶ谷公園の再整備におきましては、子どもから大人まで町田の多様な文化芸術の活動や公園内の豊かな自然を体験しながら学び楽しむことができる新しい体験型の公園を目指しております。
これまで不足していた子どもが遊べる遊具を新たに設置することや、遊ぶ子どもを見守りながら、ゆったり過ごせる居場所を整えるとともに、小さなお子様連れのご家族も、高低差のある公園内を容易に行き来できるようにスロープやエレベーターを設置するなど、公園へ気軽に来ていただけるように整備を行う予定でございます。
- 再質問
- (2)でご答弁いただいた目指す姿としての「子どもから大人まで町田の多様な文化芸術の活動や公園内の豊かな自然を体験しながら学び楽しむことができる新しい体験型の公園」についてですが芹ヶ谷公園には市が目指す姿をすでに実現している、せりがや冒険遊び場があります。
11月22日のパークミュージアム会議において、公園緑地課と文化振興課だけでなく、せりがや冒険遊び場を所管する児童青少年課も含めて一体的に議論すべきと話題が出て出席されていた方々から賛同を得たと聴いております。
練馬区立こどもの森では、再整備の際、そこで冒険遊び場を運営していたNPOがJVで公園管理に加わり、今、良い形で運用されております。
来年度公開される芹ヶ谷公園の公園管理プロポーザルにおいて、美術館と公園の一体管理の観点から、市が目指す姿をすでに実現している、せりがや冒険遊び場もプロポーザルの枠組みへ組み込むべきと考えますが市の考えはいかがでしょうか。
回答
現在、芹ヶ谷公園内にある冒険遊び場は、都市公園法第5条第1項に基づく公園施設管理について許可を得て、広場としてNPO法人が管理運営を行っている区域となっております。2023年度に行う官民連携による公園管理者の公募では、この区域を除いた公園区域を管理運営していただくことを予定しております。
- 再質問
- では、続きまして(1)について伺います。来園者数が大きく増加すると見込んでいるとのことで、自ずとせりがや冒険遊び場への来園者数も増加すると予測されます。昨年度のせりがや冒険遊び場の来園者数は年間46,882人と、現在でもかなり多くの方を受け入れておりますが、市内市外の不特定多数の来園者が訪れ、観光スポット化している状態を市民活動の有償ボランティアで受け止めるには非常に大きな責任が伴い、荷が重いのではと懸念いたします。
今後さらに来園者数が増加するにあたり、リスクマネジメントについてはどのように考えるか、有償ボランティアでリスクコントロールできるものか、見解を伺います。
回答
せりがや冒険遊び場には、私も何度か伺っておりまして、子どもたちの笑顔があふれる場を提供していただいている活動団体の皆様には改めて感謝しているところでございます。
冒険遊び場は自然の中で子どもたちが自由に遊ぶという活動の特性上、活動場所に利用者が密集すると事故のリスクが高まります。利用者が集中することにより事故のリスクが高まることが予想される場合には、入場制限や入れ替え制などの運用の変更について、活動団体と協議してまいります。
また、冒険遊び場には、遊びの環境をつくり、子どもの遊びを引き出すプレーリーダーが配置されておりますが、市ではプレーリーダー養成講座を実施し、リスクマネジメント等についても研修する機会を提供しております。
- 再質問
- 子どもたちへの大人の役割として、大切なことは、一度開いた居場所をやめないということだと思います。
せりがや冒険遊び場は当初は地域の子どもの成長を地域住民で育むといった、地域に根ざした手作りの活動でした。ところが現在は市の施策により観光スポット化しており、市外の来園者も多く、当初のゆるやかな活動とは大きく変化しております。
一般的な冒険遊び場とは役割がかなり違っていて、一般的な冒険遊び場のためにつくっている補助要綱では無理がある状態です。
週5日、年間46,882人受け入れている居場所を継続していくためには、有償ボランティアのみでの運営には正直無理があると思います。有償ボランティアというのはボランティアです。今は設立メンバーが使命感で支えてくださっておりますが、できるときにできることをやるような人たちだけでは運営が成り立たないと思うのです。コアとなる責任者として少なくとも2~3名、常勤のプレーリーダーが必要だと考えますが、市の見解はいかがでしょうか。
回答
冒険遊び場活動団体への支援は補助事業であり、年間200日以上の実施や常時3人以上のプレーリーダーの配置などの補助の要件以外の活動内容やイベントの実施に関しては活動団体に一任しております。そのため、活動内容やボランティアの形態を含め、それぞれの地域の実情に合わせた柔軟な運営を行っていただければと考えております。有償ボランティアのみで運営が成立しない場合には、活動内容に関して状況の確認を行い、今後の活動内容の見直しを含めた相談に応じ、居場所の継続に向けて支援してまいります。
また、利用者数に応じた運営を支援するため、2021年4月に補助金交付要綱の改正を行い、1日当たりの平均利用者数が100人以上の常設型冒険遊び場については補助金の上限額を増額しております。なお、現在該当しているのはせりがや冒険遊び場のみとなっております。
- 再質問
- 「それぞれの地域の実情に合わせた柔軟な運営を」ということであれば芹ヶ谷公園の実情を勘案すると常勤の職員が必要です。市の施策で市内外の来園者数が増えているのに、補助要綱はあくまで市民活動への補助であり、昨年補助金を増額していただいたことは感謝しておりますが、常勤の職員を雇える金額ではありません。この矛盾のしわ寄せは子どもたちが被ることのないように、設立メンバーが使命感だけで必死に耐えております。年収100万円代で週5日暑い日も寒い日も雨の日も朝から夕方まで一日外で活動し、夜は事務仕事がまっています。引き継げないのは団体の責任という方もおりますが、年間46,882人を受け入れる責任をこの条件であなたは引き受けますかと問いたいです。
では、異なる観点から質問いたします。内閣官房孤独・孤立対策担当室から出ている令和4年度の補正予算の「NPO等と連携したこどもの居場所づくり⽀援モデル事業の実施」では、想定されるテーマ例として「屋外においてこども達が自由に遊べるプレーパーク(冒険遊び場)の実施」と記述されており、孤独・孤立対策の観点からも、冒険遊び場の重要性が注目されていることがわかります。
また、国の令和5年度の予算要求においても居場所づくりに関する事業は複数あり、芹ヶ谷公園における冒険遊び場はこれまでとは異なり、さらに大きな役割や機能を担っていくことが予測されます。
こども家庭庁の創設といった国の新たな動向や、芹ヶ谷公園再整備といった大きな環境の変化に伴い、これまでの児童青少年課の冒険遊び場という枠組みを越えて、補助要綱も見直していく必要があると思います。せりがや冒険遊び場の新たな在り方を前向きに話し合っていただく機会を設けていただけないでしょうか。
回答
話し合いの場をということですので引き続き国の方針や動向を注視するとともに活動団体や公園管理者と連携しながら引き続き冒険遊び場を支援していきます。
子どもの自由な遊びを可能な限り制限せず、地域の活動団体が地域の実情にあわせた柔軟な運営となるため現状の補助金の交付による活動団体への支援が適した実施形態であると考えます。
今後の活動については見直し等を含めた相談に応じ、居場所の継続に向けて支援していきたいと思います。
- 再質問
- 冒頭に「子どもから大人まで町田の多様な文化芸術の活動や公園内の豊かな自然を体験しながら学び楽しむことができる新しい体験型の公園を目指す」という答弁をいただきました。
せりがや冒険遊び場は水曜日~日曜日の週5日開園しておりますが、水曜日の朝一番には、待ってましたといわんばかりに乳幼児を連れたお母さんたちがたくさん訪れていました。来園したお母さんにお話を伺いました。「家だと子どもと二人きりで息が詰まってしまい子育てがつらいと感じていました。外に買い物に行っても子どもが動き回って、周囲の人に謝ってばかりでとても疲れてしまいます。ここに来れば、子どもを一人で追いかけなくてもいい、みんなが追いかけてくれて、疲れた心が休める大切な場所なんです」とお話されていました。週末にはお父さんと子どもも驚くほどにたくさん来園します。
公園に行っても誰とも話さず子どもと二人で過ごしているお母さんたちがいますが、冒険遊び場はいつもプレーリーダーの方がいて、人と人のつながりや心のつながりを感じられる場所です。子どもや子育て中の方だけでなく、年齢制限がないので赤ちゃんからご高齢の方まで、全てを受け入れてくれる大事な場所です。
芹ヶ谷公園の再整備に伴う冒険遊び場の位置付けや期待する役割について市の考えを伺いますがいかがでしょうか。
回答
芹ヶ谷公園内にある冒険遊び場は、子どもたちが自然の中で自由に遊ぶことができる場所であり、芹ヶ谷公園の魅力の1つとして大切な場所であると認識しております。
今後は、公園管理者と冒険遊び場が連携し、芹ヶ谷公園の魅力をより一層高めていくことを期待しております。
私の提案
市もせりがや冒険遊び場が大切な場所と考えてくださっていることでホッとしました。
活動団体に心を寄せ、同じ方向を向いてくださっていると信じています。
それでは、タブレットの資料4ページ目をご覧ください。せりがや冒険遊び場の来園者数は子どもセンターにも及ぶものです。子どもセンターや子どもクラブには児童厚生員や常勤の職員がおります。子どもセンターや子どもクラブが全員有償ボランティアで運営するのはありえないと思います。市民活動が出発点の場合は、有償ボランティア以上にはなれず常勤の職員をおけないのでしょうか。子どもの遊びと成長の拠点、安心して自分でいられる居場所、子育てを応援するという設置目的は同じはずです。やはり、せりがや冒険遊び場にも常勤の職員を置ける補助額が必要ではないかと考えます。
冒頭に申し上げた、練馬区立こどもの森で冒険遊び場をしているNPO法人プレイタンク代表の中川 奈緒美さんが区と公園管理の委託契約を取り交わした当時に以下のようにコメントしています。
「日本全国の 400 カ所以上のほとんどの冒険遊び場の運営において、地域の方々がアルバイト程度の賃金でプレーリーダーを担っていたりとか、ボランティアで担っていたり、もしくは非常勤で生活ができないような状態で雇っているところが多いので、なかなか継続してくことが難しいです。出ては消えるような活動ですが、今回、練馬区でプレーリーダーをきちんと常勤採用できるようにしていただいた」とのことです。
市が子どもたちの居場所として必要な事業と感じているのであれば、練馬区や世田谷区のようにプレーリーダーが安心して子どもと向き合える環境を整えていただきたいと思います。
タブレットの資料5ページ目をご覧ください。どうしても自分のなかで違和感を払拭できず、これは私の頭の中を文字にしたものです。違和感は市が常勤が必要な状況をつくっているのに常勤を雇える補助額を出さずに活動を求めているということです。
もともとは、ご自身のお子さんも含めたご近所の子どもたちを地域で育むゆるやかな活動でした。町田市が中心市街地活性化やパークミュージアムとして、市内市外から多くの人が訪れる施策を進め、観光スポットとなり来園者数が大きく増え、せりがや冒険遊び場に常勤の責任者が必要な状況を市がつくってきました。
ところが市は常勤を雇える補助金を出しておりません。それは何かの計画に基づくような論理的な話ではなく政治の話だと私は思っています。
金額があわなければ手を挙げなければいいという人もおりますが、大切なみんなの居場所を守っていきたいという使命感だけで金額があわなくても設立メンバーが担っております。ただ設立メンバーが力尽きれば閉園となります。閉園になっても新しい団体を探せばよいのでしょうか。それは子どもの立場に立ったときに、子どもにやさしいまちなのでしょうか。
市の政策的判断が実情と乖離しているがために、今、まさに大切な居場所がなくなってしまうかもしれない状況が訪れていることを皆さんに知っていただきたいです。
補助事業だから団体で何とかする話で片付けられ、課題とすら捉えられていないことでした。子どもたちのためにも、どうか一緒に考えていただきたいと思います。
有償ボランティアというはとても便利な仕組みです。ボランティアの限界とインターネットで検索すると、有償ボランティアでありながら労働者の働き方を求められ、裁判になっている判例がいくつも出てきました。ボランティアへの謝礼ではなく、労働法の抜け道として使われるのであれば、労働者の権利や最低賃金の定めが意味をなさなくなります。
あくまで私見ですが、市が常勤が必要な状況をつくっているのに常勤を雇える補助額を出さずに有償ボランティアとして活動を求めていることは、私には過去の判例と類似したケースに見えてしまいます。
あくまで冒険遊び場は市民活動への補助、なりわいにするような働き方を求めていないというのが現在の市の考え方ですが、それは近所の子どもたちが遊びに来るような地域活動のボランティアの方が自分の身の丈で活動を行える冒険遊び場についてであって、観光スポットになっていて市内市外の不特定多数の方が大勢訪れる芹ヶ谷公園の冒険遊び場に同じことを求めるのは無理があるのではないかということです。
せめてコアとなる責任者は常勤の職員が雇える補助額へと補助要綱を見直していただくことを要望し、この項目を終わります。